PMSを知っていますか?
(月経前症候群:げっけいぜんしょうこうぐん)
最近雑誌などで目にするようになってきました。PMS(月経前症候群)は、その名前の通り、月経前の時期に現れるさまざまな症状をさします。
松本清一先生にお伺いしました。(2005年取材)
::松本先生のご紹介::
群馬大学医学部、自治医科大学教授、群馬大学医学部付属病院、自治医科大学付属病院長、看護学校・助産婦学校長、自治医科大学看護短期大学長を経て、日本家族計画協会会長、群馬大学・自治医科大学名誉教授等歴任。
●2011年12月にご逝去されました。松本先生のご冥福をお祈りいたします。
症状は150以上もあります
PMS−premenstrual syndrome(月経前症候群)とは、「黄体期(排卵後から月経までの基礎体温でいう高温相)に起こる身体的、精神的、社会的症状」を言います。
原因については、水分貯留をはじめ多くの説が唱えられておりますが、一致した見解は得られておりません。症状、程度については個人差が大きく、症状としては150以上もあると言われています。
- ・イライラする
- ・泣きたくなる
- ・腹立たしくなる
- ・落ち着かない
- ・集中できない
- ・眠くなる
- ・不安になる
- ・話しが面倒になる
- ・家事が面倒になる
- ・運転が荒くなる
- ・愚痴を言いたくなる
- ・乳房がはる
- ・乳房が痛い
- ・手足がむくむ
- ・腹痛
- ・頭痛
- ・腹部がはる
- ・体重が増える
- ・甘いものが食べたい
- ・間食が増える
- ・食欲がでる
- ・肌が荒れる
- ・便秘,下痢になる
- ・体がだるい
- ・肩こり
- ・疲れやすい
- ・腰痛
社会生活に及ぼす影響
精神症状、身体症状、社会症状(仕事が面倒になる、人付き合いが悪くなる)等様々な症状がありますが、その原因はまだ未解明ではっきりしていません。
日本では1,300万人、アメリカでは2,700万人の患者がいると推定されていますから、月経を有する女性の半数以上がなんらかのPMS症状をもっている事になります。
前述したように個人差が大きく、月経がくるサインとなる程度の軽度な症状の方もいますし、会社に出勤できないほどの辛い症状の現れる方もいます。
PMSかな?と思ったら
PMSメモリーをつけてみませんか?PMSの症状や月経のサイクルを正確に認識することによってPMSを緩和することができます。
これは家族計画協会が発行しているPMSメモリーです。
自分の症状を客観的にみることで、自分の体調を把握しましょう。
[PMSメモリーについてはこちら]→http://www.jfpa.or.jp/cat6/pdf/tsuhan.pdf
松本先生の指導のもと、PMSに対するテアニンの改善効果が確認されました。
テアニンの改善効果についてはこちらをクリック→【click】
:: 参考文献 ::
:日本女性心身医学会雑誌 Journal of JSPOG vol. 6, No.2 pp. 234-239(平成13年12月)
[参考HP]
家族計画協会 PMSに関するサイト→http://www.jfpa.or.jp/cat5/index07.html
私ってPMS?
[PMSチェックリスト]
代表的な症状を列挙しました。自分がPMS(月経前症候群)であるか確認しましょう。
月経前1週間から月経前日の間に次の症状がありますか?
症状が多く、程度も様々なだけに、チェックの数ではPMS(月経前症候群)とはいえませんが、あなたがチェックした症状が次の3つのポイントにあてはまればPMS(月経前症候群)であるといえます。
[PMS(月経前症候群)の3つのポイント]
- ・
- 周期的に症状が現れる
- ・
- 排卵後から月経が始まるまで(月経周期の黄体期、基礎体温でいう高温期)に症状が現れる
- ・
- 日常生活にある程度影響するくらいに症状が重い
症状を緩和する対処法
- 糖分・水分を摂り過ぎない
- カフェインを摂り過ぎない
- 考え過ぎないようにする
- 窮屈な服は着ない
- ビタミン、食物繊維を摂る
- 月経前の時期を認識する
- 適度な気分転換
- 適度な運動
- 無理をしない
- テアニン・γリノレン酸を摂る
- ・
- 基礎体温をつけることにより月経前の時期であるということを認識する
- ・
- 適度な気分転換やリラックスを心がける。
- ・
- 無理をしないよう心がける
- ・
- 窮屈な服は着ないようにする
- ・
- 野菜、果物をなるべく摂るよう心がける
少しでも気になる症状があれば、怖がらずに婦人科を受診しましょう。
女性である以上、一生お付き合いしていくことのできる信頼のおける婦人科医との出会いはとても大切なこと。
最近は「女性専門外来」を設置している病院も増えてきました。
どんなことでも相談して婦人科医を強い味方につけましょう。